この記事を書いているスーさんです。現在は人材系ベンチャーでマーケティング責任者と新規事業責任者を兼任しており、採用担当として500人以上の面接・書類選考に関わってきました。
採用側にいると、転職エージェントから送られてくる候補者を日常的に見ることになります。どのエージェント経由の候補者が質が高いか、どのエージェントの担当者がデキるか、逆にどこが「数打てば当たる式」で質が低い候補者を送ってくるか、肌感覚でわかってきます。
そんな私が「もし自分が今転職活動をするなら、どのエージェントを使うか」を本音でお伝えします。特にマーケティング職や責任者・マネジメント経験者の方に参考になる内容を意識して書きました。
そもそもエージェントはなぜ使うべきか
転職エージェントを使わずに直接応募するという方法もありますが、マーケティング責任者レベルの転職には、エージェントの活用が欠かせない理由があります。
まず、「非公開求人」の存在です。採用担当として実感していますが、特に責任者・管理職レベルの求人は、公開するとリファーラルが大量に来るため、そもそも求人票を出さずにエージェント経由でのみ探すケースが多い。ハイクラス求人の半数以上は非公開だと思っていいでしょう。
次に、「年収交渉の代行」です。自分で「年収を上げてください」と言うのは心理的ハードルが高い。エージェントに任せると、市場相場を根拠にした交渉をしてくれます。実際に私の転職時も、エージェントの交渉で内定後に年収が30万円上がりました。
ポイント
マーケティング責任者・管理職レベルの転職では「非公開求人へのアクセス」と「年収交渉の代行」の2点だけでも、エージェントを使う価値がある。複数社に登録して担当者の質を比較することが重要。
エージェント選びで絶対に外せない3つの判断軸
判断軸1:担当者の業界・職種理解度
エージェントの質は「会社」よりも「担当者個人」で決まります。これは採用側にいてよくわかることですが、同じエージェントでも担当者によって紹介してくる候補者の質が天と地ほど違う。
マーケティング職での転職なら、担当者自身が「CPAとLTVの違い」「SEOとCVOの違い」「B2BマーケとB2Cマーケの違い」を理解しているかどうかを最初の面談で確認してください。理解していない担当者は、あなたのスキルを正確に企業に伝えられません。
判断軸2:保有求人の「ハイクラス比率」
エージェントによって、得意とする年収帯・ポジションが異なります。年収500〜600万円台の責任者ポジションを探しているなら、それが得意なエージェントを選ぶ必要があります。
初回面談で「直近3ヶ月で紹介した求人の年収レンジを教えてもらえますか?」と聞いてみてください。答えられるエージェントは信頼できます。答えをはぐらかすようなら、そのエージェントの保有求人が自分のターゲットと合っていない可能性があります。
判断軸3:フィードバックの質と速度
書類選考や面接の後、どんなフィードバックをもらえるかもエージェント選びの重要な判断軸です。「今回はご縁がなく〜」という定型文だけを送ってくるエージェントと、「先方のフィードバックとして、マーケ経験の深さは評価されたが、PMとしてのプロダクト開発経験が弱いと判断されました」と具体的に教えてくれるエージェントとでは、次の活動への改善速度がまったく違います。
採用担当者スーさんのコメント
採用側から見ると、エージェント経由の候補者には「担当者の質」がそのまま出ます。職務経歴書の整理が丁寧、企業とのマッチング精度が高い、面接後のフォローアップが迅速。こういったエージェントから来た候補者は、採用担当としても「ちゃんと見たい」と思います。エージェント選びは自分のプレゼンに直結します。
私がマーケ転職で使うなら:エージェント別の本音評価
リクルートエージェント
求人数は業界最大。特に大手・中堅企業の求人は他社の追随を許しません。担当者の当たり外れが大きいですが、マーケティング職に特化した担当者チームも存在するため、最初の面談で「マーケ経験のある担当者への変更」を依頼することをおすすめします。非公開求人の保有数も業界最多水準。必ず登録すべき一社。
doda
エージェントとスカウトの両方が使えるハイブリッド型。特に年収400〜700万円レンジのマーケ求人が充実しています。担当者のレベルも比較的安定しており、初めて転職エージェントを使う方にも使いやすい。ただし求人数はリクルートエージェントよりやや少なめ。
ビズリーチ
スカウト型のプラットフォームで、年収600万円以上のハイクラス転職に強い。マーケティング責任者レベルの転職なら、ビズリーチへの登録は必須。企業から直接スカウトが来るため、エージェント経由にない企業との接点が生まれる。ただし登録後に大量のスカウトが届くため、取捨選択に時間を取られることは覚悟が必要。
マーキャリ(マーケ特化)
マーケティング職に特化したエージェント。担当者がマーケの専門知識を持っているため、自分のスキルを正確に企業に伝えてもらいやすい。保有求人数は大手には劣るが、マッチング精度は高い。マーケ専門職としての転職を考えているなら、大手エージェントと並行して登録する価値がある。
私が実際に使うエージェントの組み合わせ
もし私が今転職活動を始めるとしたら、以下の組み合わせを選びます。
- リクルートエージェント(求人網羅性のため)
- ビズリーチ(ハイクラス求人・スカウトのため)
- マーキャリまたはdoda(マッチング精度のため)
3社以上に登録するのは管理が大変になりますが、2社だけでは求人の網羅性に不安が残る。3社が現実的なバランスです。
ポイント
エージェントは最初から1社に絞らず、必ず複数登録して担当者と求人の質を比較する。合わないと思ったエージェントは遠慮なく切り替えてよい。エージェントもビジネスなので、自分に合ったパートナーを選ぶ権利は転職者側にある。
エージェントをうまく使う5つのコツ
コツ1:最初の面談で「希望条件の優先順位」を明確に伝える
「年収・ポジション・働き方・業界・会社規模」のうち、何を最も重視するかを最初に伝えてください。優先順位が曖昧だと、エージェントは当てずっぽうに求人を送ってくることになります。
コツ2:書類が通らないときは担当者に率直にフィードバックを求める
書類選考が通らない場合は「なぜ通らなかったと思うか、正直に教えてください」と聞いてください。良いエージェントなら、企業からのフィードバックを教えてくれます。それを次の応募に活かす。
コツ3:内定後の年収交渉は必ずエージェントに任せる
自分で直接交渉するより、エージェント経由のほうが成功率が高い。エージェントには「できれば〇〇万円まで引き上げてほしい」と具体的な数字を伝えてください。
コツ4:複数エージェントを並行して使うことを隠さない
「他のエージェントも使っています」と最初に伝えることを恐れないでください。エージェント側も承知しているし、それが一般的です。むしろ隠すと後でトラブルになりやすい。
コツ5:「急かされても動じない」
「この求人は今週末が締め切りです」「今すぐ応募しないと枠がなくなります」という言葉に惑わされないでください。急かしてくるエージェントは「内定を早く出させて手数料を得たい」という動機がある場合があります。転職は人生の大きな決断。焦らせてくるエージェントとは距離を置いて構いません。
まとめ
エージェント選びに正解はありませんが、「複数登録・担当者の質を見極める・自分の優先順位を明確にする」この3つを守れば、転職活動は格段に効率よく進みます。
マーケティング責任者クラスの転職は、スキルがあっても「どこに・どう見せるか」で結果が変わります。ぜひ良いエージェントと組んで、納得のいく転職を実現してください。